さて、レスポンシブデザインに対応しているとうたっているAdobeのソフトMuseをダウンロードして使用してみました。あくまでも2~3時間使用しての感想です。 実際に長く使ってみないと分からない部分などもあるかと思いますので、あくまでも参考程度にお考えください。
デザイン面
まず、使い方は直感的に使えて、ソースが分からないデザイナーにはいいかと思います。 感覚的に当たり障りのないデザインのものなら素早く作成できます。
また、レスポンシブデザインにも対応していてこの部分については良い部分です。もちろん、自動ではなく、手動でデバイスごとにデザインの設定はしていかないといけませんが。 しかし、デザインは凝ったものは厳しく、あくまで枠にはまったものしか制作できないのでオリジナリティを求める方にはお勧めするのは厳しいです。当たり障りのないデザインで構わないという方にはよいかもしれませんが。 将来的にAI(人工知能)が制作するサイトはこの程度のものなのかなという感じのものです。あくまでもその程度です。
機能面
サイト構成を軸に各ページを作っていく感覚があって分かりやすくなっているなと思います。 また、ウィジェットでいろいろと拡張でき、難しく感じる動きのものも気楽に導入できて、ホームページの制作に携わっていない方からするとすごいごとができると感じるかもしれません。
しかし、実際は簡単に導入できるありふれたものなのだけに限定される感じです。また、ウィジェットは無料のものもありますが、いいなと思ったものは有料で、なんだかんだと費用がかかりそうな感じがします。 ちなみに、WordPressなどのCMSはRSS Blog ウィジェットでRSSを読み込む方法はあるようですが、あくまでもRSSを読み込むだけで別途WordPressのサイトは必要なので、WordPressは単体で作成したほうがよろしいかと思います。
ソース面と更新作業
Adobe Museのソフトウェアから修正作業をすることを前提にしているので、ソースは入れ子状態でお世辞にもきれいとはいえません。 テキストエディタ等でソースを修正することを前提には作っていませんね。ごちゃごちゃしたソースは触りたくないです。Museのサービスが終了したら、また一からサイトをリニューアルする必要があるでしょう。
現在はソフトを購入しなくても、Adobeが用意したサイトにFTP情報などでログインしてクライアントが独自に編集や修正もできるようですが、テキストはまだしも、画像に関しては縦横比を画像ソフトなどで調整した画像を用意する必要があるなど一般の方には敷居が高いかなと思います。
Museはあくまでもソースが分からないけど、デザインはできるプロのデザイナー向け用かなという感じがします。
ホームページ制作ソフトとしては怖くてお薦めできない
AdobeファンでMuseの魅力にはまってしまった人で、いつMuseのサービスが打ち切りになってもいいという覚悟ができている方にしかこのMuseは正直おすすめはできません。
一般のクライアントさんにはお勧めできません。 知り合いのWEBに詳しくないグラフィックデザイナーがサイトを自分で制作したいなら検討するのも一つだよ、でも自己責任でねというレベルです。
プロトタイプのサイト制作用としてはありかも
しかし、使い方としてプロトタイプを作るためのソフトと考えれば、このMuseというソフトはありかもしれません。 デザインはそれほど凝ったものはできませんが、サイト構成も分かりやすく表示してくれますし、短時間でそれなりのサイト構築が可能です。 また、プロトタイプであれば、長期というより、短期間だけしか使用されないと思いますので、いつサービスが終わるだろうという心配をする必要もないですしね。